iTAC_Technical_Documents

アイタックソリューションズ株式会社

ブログ名

第5回 モデルの改良

今回はモデルの改良について考えていきます。今回のAIの概要は白黒画像からの人認識です。白黒画像なので、カラー画像の人認識に比べると精度が下がってしまいます。そのため精度を上げるための工夫、改良が不可欠になります。

特徴量の抽出

白黒画像は情報量が少ないので、対策として特徴量抽出を行います。
saliency処理によって特徴量抽出を行なうと、以下のようになります。
f:id:shizuuuka0202:20200115232453p:plain

f:id:shizuuuka0202:20200115232524p:plain

これにより、精度が飛躍的に向上しました。しかし、それでもカラー画像に比べると劣ってしまいます。
他にも、FineGraindという方法を使えば、輪郭を鮮明にさせることができます。
f:id:shizuuuka0202:20200115232654p:plain

しかし、ここで問題となるのは計算量です。特徴量抽出の処理に計算量のたくさん必要な手法を使ってしまうと、今後、TX2と言った性能の低いエッジAIコンピューターを使用する際にスペック不足に陥る可能性があります。FineGraindは計算量が多いので、saliencyの方が適切な手法であると考えられます

モデルの改良

モデルの深さや入力画像のサイズを変更するなどの調整を行い、精度の向上を目指しました。
実際の認識の結果は以下のようになります。
f:id:shizuuuka0202:20200115232807p:plainf:id:shizuuuka0202:20200115232833p:plain

認識は上手くいっていることが分かります。
ただし暗いところでは誤認識が起こりやすいです。誤認識の原因は白黒画像であるという事が大きいと考えられます。白黒画像では明暗の情報しか含まれないので、明暗の変化が激しい場所では誤認識が起こりやすくなってします。


前の記事へ 目次に戻る